高齢者向け記憶術、開発してます!

高齢者向け記憶術、開発してます!

実は私は、今年、2017年2月まで大学生だった。


ちゃんと学生証も持っていたのだ。
学割が使えるかは定かではなかったのだが。


地元の「市民大学」というところで、「コミュニティビジネスを興す」という講座を受講していた。
社会人向けに開かれていた大学だ。
そこで何をしていたかというと、「高齢者向け記憶術」の開発と、ビジネス化の検討だ。


認知症予防、そして…

私の祖母は認知症であった。
亡くなる数年前には、私のことも、ずっと世話をしていた母のことも分からなくなり、他人扱いであった。
時には「財布を取った」として、母をずっと責めていたこともある。
(もちろん事実と異なるのだが、釈明は一切通用しなかった。)


家族は介護に疲れ果ててしまったし、世話をしてくれる家族のことを認識してもらえないのが非常につらい。
だから私がお伝えしている「記憶術」を応用して何とか認知症予防、そして高齢者が自分の記憶力に自信を持って人生を送れるために役立てないかと以前から考えていたのだ。


一度失敗したプロジェクトを、お客様目線でブラッシュアップ

「講座では、企画を提出すること」とあったので、いろいろ温めている研究テーマや企画の中から、「高齢者向け記憶術」を迷わず選択した。
(常に私は、いくつかの研究テーマや企画を持つようにしている。)


実は私は数年前に、「高齢者向け記憶術」を開発し、広めようとして失敗している。
テストしてみたところ、高齢者には好評だったのだが、ビジネス化ができなかったのだ。


これは完全にリサーチ不足で、高齢者がどういうニーズに対してお金を払おうとするのか、何に対しては払うつもりがないのか、を完全に読み違えていた。
資格取得や語学のために記憶術を習得したい学生や社会人なら、将来への投資として、ある程度の金額を払うことができる。


一方で、「認知症予防」「ボケ防止」といった目的の方々に対しては、ガッツリお金をいただくような講座のニーズはない。
しかも高齢者向けの「脳トレ」といった気軽な脳の活性化手段もある。
またそもそも、「訓練」のようなことは望まれていない。


「面倒なこと」「難しそうなこと」は敬遠され、「楽しそうなこと」「自分でもできそうなこと」のほうがいいのだ。
仲間とワイワイ、コミュニケーションをとりながらやれるならなおよい。
と、書いてみれば当たり前のことでも、市民大学に入ってから気づいたことが多かった。


実際の行動・実学こそが求められる

この講座は、単に講義を聴くだけではなかった。
地域の中で実現したいビジネスを提案し、それを半年間かけて練り上げて、可能な限り実行に移すという、正に実学。
先生も、グロービスというコンサル会社の、バリバリのコンサルタントだった。


そして「市民大学」という性質上、受講生の平均年齢はものすごく高く、現役を引退した60歳以上の方もゴロゴロいらっしゃった。
(だから「高齢者向け記憶術」をテーマに取り上げたという理由もある)


認知症予防に関心のある高齢者(主に同期の受講生)と、実際に深く話し合うことはとても大切だった。
自分の狭い世界だけで判断してはいけない。


講座を終え、少しずつ歩みを刻む

講座卒業時には、「高齢者向け記憶術」のある程度の方向性と計画を作り上げた。
プレゼンをした際には、「是非がんばっていってください」と、市の課長からもお褒めの言葉をいただけたし、同期の受講生たちから「是非協力したい!」という言葉も取り付けた。


現在私は、シニアが集まるグループに所属し、その会員向けのイベントの1つとして「高齢者向け記憶術」を主催している。
市民大学の際に、同じグループで検討していただいた方が、非常に熱心に協力してくださり、話をつないでいただいているのだ。


「高齢者向け記憶術」がどのようなものになったのかは、また別の記事でお伝えしたいが、発展途上であることは確かだ。
まだ小さな活動であり、すぐにビジネスになるものではないが、世の中に必要だとされていることだと感じるので、じっくりと取り組んでいきたいと考えている。

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