悩み克服の専門書 デールカーネギーの「道は開ける」
デールカーネギーの「道は開ける」。
この本は悩みの克服の専門書である。
人間で悩みがない者はいないであろう。
誰もがそれぞれ悩みを持っている。
そんな悩みに対して、どう向き合っていけばよいか。
どう対処すれば心が楽になるかを解説した本である。
この本を読むと悩みに対する対処がよくわかる。
まずこの本では大きく、悩みに関する3つの事項を紹介している
1.今日1日の区切りで生きよ
人間が労力を使って考えられることには上限がある。
過去に対する後悔、もしくは、未来に対する不安。
そうしたものにとらわれていると、
自分の今日やるべきこと今やるべきことに集中するエネルギーが削がれてしまう。
したがってまず、今日1日を全力で生きよう。
やるべき仕事を全力で仕上げよう。
そうした心がけで1日1日を生きること。
これが最も大切だと説く。
実はこの考え方は多くの宗教・哲学でも言われていることだ。
元々人間がどのように幸せになるか、幸せに生きるかという目的で作り出されたものが宗教や哲学だ。
たとえば仏教には「一日一生」という言葉がある。
自分の一生は今日1日。今日1日しかないという心構えで1日1日を生きる、というものだ。
こうした生き方をしていると将来のことを思い煩ったり、過去のことを後悔して力を取られることもない。
今日1日だけはしっかりと過ごそう。
こうした日々を積み重ねていくのが人生の秘訣であると教えてくれているのだ。
2.悩みを解決するための魔術的公式
それでは大きな不安があるときにはどうすれば良いのか。
下記の手順で、不安に対して対処する。
①まずは失敗の結果、最悪の事態を予測すること。
その恐れることが起きた場合に、
- 自分が死んでしまうのか
- 家族と離れ離れになってしまうのか
- 大金を失うのか
など、起こりうる最悪の事態を予測するのだ。
紙に書き出すとなお良いであろう。
②やむを得ない場合はその結果に従う覚悟を持つ。
嫌ではあるが、人生で避けがたいもの、苦しみというものは究極的には受け入れるしかない。
そこから目を背けるのではなく、「ああ、自分にはこれが与えられたのか」と考えてそれを受け入れる。
まず最悪のケースを想定し、それを受け入れる覚悟を持つ。
なってしまっても仕方がないと言う心を持つことで、失うものはなくなる。
最悪の事態を想定して受け入れたのだから、あとはどう転んでも自分にとっては儲け物ということになるのだ。
③今できることに優先順位を付け、行動に移す。
①で書き出した最悪の事態。
これを避けるために何ができるか。
それらの方策をリストアップする。
そして、少しでも良い方向に持っていけるように、冷静に時間とエネルギーを集中して行動に移すということだ。
この3つの手順を踏むことで、余計な不安にとらわれることなく最善の対応を冷静にすることができるのだ。
3.悩みがもたらす副作用
悩みを持っていると非常に体に悪い。
胃潰瘍、消化不良、心臓病、不眠症、高血圧、頭痛、麻痺‥
悩みによるストレスからこれらが発生する。
さらにパフォーマンスは悪化するし、女性にとっては美しさを失う原因ともなりかねない。
悩みというものはコストパフォーマンスが悪い。
悩みにとらわれ、うじうじして行動できない位であれば、先程の公式の通りに現実を直視し、結果を受け入れ、何かを行動することだ。
この本ではうつ病患者に無理に運動をさせると、その人がどんどん走ることが楽しくなって、やがてランナーになってしまった、というような極端な例も紹介されている。
人生から悩みはなくならない
悩みが人生からなくなる事は無い。
課題のない人生はないのだ。
人生のステージが上がっていけば、さらに大きな悩みがやってくる。
子供の頃の悩みは大人から見たら小さいとはいえ、その当時は真剣に悩んでいたのだ。
疲れる前に休息せよ
さらに面白いことに、この本では悩みと疲労の関係についても触れている。
疲労が溜まると、より悩みが深くなる。それにより、さらに疲れが大きくなるというのだ。
従って疲れる前に休む。
特に現代人が酷使している「目」を、意識的に休ませる。
そうした方法も紹介している。
疲れる前に休息せよと言うのはこの本から受けた衝撃的な考え方であった。
ぜひこの「道は開ける」を読んでいただき、ご自分の悩み・今悩んでいる悩みについての対処を冷静に考えてみてほしい。
そして道が明確になれば、後はその悩みを解決するために行動するのみだ。
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